オリジナル・ロングボード時代、G & S 最大のヒット作の一つが HY-1、いくつか存在するマイク・ヒンソン・モデルの中でも最も幅広いサーファーにうけたモデルです。
ロングボード時代を通して最もポピュラーなデザインのこの板は現在の水準で見ても、偶然にも今のトレンドがフォーカスするデザインのオリジンそのものとも言えるシェイプ。
サイズも、"ちょっとデカい板"を指向する流れにも応える、9'10"。
古くからの動画でも見ることができるように、マイク・ヒンソンさんは若い頃からすでに一貫してショーオフなスタイルに距離を置いた本格指向。
時代が下るにつれてロングボード(あくまで、その時代に)が少しづつ短いものへと変化が見られ始めた頃、ボスであるラリー・ゴードンさんが9フッターに乗り始めると、ボスに向かって"それ納得いかないな"と言ったという話が残っているように、軽いギミックを排したデザイン・シェイプが特徴。
この板も店主が以前所有していたもので、カリフォルニアの友人でありサーフボード・コレクターから譲り受けて、その後エムズのとあるお客さんの手に。そして里帰り。
店主が入手した時のままのコンディションはとても良いもので、マイナーレストア済み。
このようなレストア手法はカリフォルニアでは最もポピュラーで支持されてるスタイルで、辿ってきた歴史の過程で負った傷跡やリペア痕などはそのまま残しつつクリーンに仕上げて、グロスレジンを再コートする手法。
ですから元々のコンディションの良さがよく分かる、もちろんリペアの必要も全く無い板です。
ある程度の日焼けや傷の痕が見られますが、デッキのコンディションも大変良いもので、1967年製作のビンテージボードとしては素晴らしい。
リバースウェッジ・ストリンガーはセンターに渋いグリーンのハイデンシティ・カラーフォームをサンドした、Tバンド・ストリンガー。
クリアでグラスされ、デッキにはシンプルなカットラインのピンライン。当時G & Sではこのようなピンラインやレジンパネルはサム・コディさんの手になるものを売りにしていたので、これもコディさんの手になるのは決まり。
フィンはオリジナルのものが付属し、やはり当時ポピュラーになっていたフィンベースの前後2点止めのフィンボックス。
とても貴重な板でありながら、デイリーに楽しめる嬉しい1本です。
9'10" x 22 3/8" x 3 1/16" マイク・ヒンソン・シェイプ